はるかなる船出

 太古の昔、血で血を洗う部族同士の抗争に敗れた一族が、安住の地を求めて荒ぶれる海に舟をこぎ出した。老いも若きも、男も女も波とうに翻弄される木の葉のようなくり舟に身を寄せて、一族の命運をたくした。
 彼らはモーセに率いられ約束の地をめざした選ばれし民ではなかった。敗北し追放され、神に見棄てられた人びとでしかなかった。その一族こそが「波とうに遊び、神の住むべき霊所がある」と神話の中でうたわれた「琉球の地」に第1歩を刻印した「アマベ」(海部)人であった。
 昼についで夜も舟をこぎつづけた一族がたどり着いたのは、豊かな礁湖の広がる小さな入り江であった。

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このページは、座間味 栄議が2008年1月 2日 16:40に書いたブログ記事です。

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